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プラチナカードを使ったグルメ体験など 3/3   

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回は、ここ最近あった金融やポイントに関連するニュースについて取り上げよう。(1/3から読む)−−−

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NTTドコモが住信SBIネット銀行を買収へ

かねてから噂がありましたが、NTTドコモ(以下、ドコモ)が住信SBIネット銀行を完全子会社化することがわかりました。ドコモの報道発表によると、住信SBIネット銀行の賛同のもと発行済みの普通株式の公開買い付けを実施し、連結子会社化するとの方針です。住信SBIネット銀行、三井住友信託銀行、SBIホールディングスとの4社間で基本契約の締結、加えて三井住友信託銀行、住信SBIネット銀行との3社間で業務提携契約を締結することも決議しているようです。公開買い付けは5月30日から7月10日までの期間に行い、買収額は総額4200億円にのぼるとも。この金額を考えると、もっと小規模の金融機関でよかったのではと思わないことはありません。そこまでの買収効果を見込めるかどうかは明らかになっておらず、今後の動向が気になります。

ただ、これによりメジャーな携帯キャリアはすべて金融機関を傘下に持つことに。ドコモはすでに三菱UFJ銀行と組んで「dスマートバンク」を提供していますが、今回の買収により撤退するかもしれません。

ご存じの通り、近年はポイント経済圏をめぐる競争は激化しており、各陣営がさまざまな手を打っています。2025年5月半ばにはVポイントとPayPayポイントの相互交換が発表され、Oliveフレキシブルペイの支払いモードにPayPay残高による支払方法も追加されます。これによりVポイント経済圏はコード決済、ECなどの分野での弱点をカバーすることになりました。

対するドコモもマネックス証券の買収やAmazonとの提携を通じて証券やEC領域を強化してきましたが、今回の買収により空白だった銀行分野を埋めた格好です。結果、ドコモの金融面での弱点は解消され、dポイント経済圏は銀行と絡めた施策を打てるようになります。ようやくライバルに並ぶことができ、今後の展開に期待したいところです。

先ほど述べた、VポイントとPayPayの連携にも驚いています。Vポイントは携帯キャリアを持たない特殊な経済圏を形成していたので、PayPayと組むことでこの領域をカバーすることができます。今までは、ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、楽天の4つがメジャーなポイント経済圏であり、Vポイントはサブ的な位置づけでしたが、この序列に変化が起きるかもしれません。消費者からすると、競争が激しくなることでより良いサービスが生まれるかもしれませんし、選択肢の幅も広がります。歓迎すべき動きだと思います。

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菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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