星野リゾートが運営する都心の塔の日本旅館「星のや東京」は、メインダイニングにて「もう作られなくなった日本の家庭料理」をコンセプトに掲げた、新たなディナーコースを開始している 。このコースでは、時代の移ろいの中で現代の食卓から姿を消していった「日本の家庭の味」に、総料理長・岡亮佑が再び光を当てるもので、原型からは想像できないほど洗練された料理の数々
が提供されている。

総料理長の岡氏は、豊かで多様な日本の食文化の中でも、現代のライフスタイルから消えつつある「家庭の味」に、その土地ならではの風土や、人々の知恵と発想が色濃く反映されているといい、ファストフードの台頭など利便性が高まるにつれて、まるで絶滅危惧種のように現代の食卓から姿を消していったそれら家庭料理がもし、時代の移ろいに合わせて緩やかに変化しながら今もなお愛され続けていたら、どのようなものになっていたかという発想が、コンセプトの原点だという。

そしてコースのメニューは地域や伝統への敬意を払いながらも、原型をただ再現するのではなく、独自の解釈とフレンチをはじめとする多様な調理法を融合させ、唯一無二の一皿へと昇華させている。