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NY不動産投資 最前線レポート 3/4

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。2月はタイチ不動産の池田将洋氏をお招きして、NYの不動産投資環境をテーマに対談を行っている。

エンリッチ 内藤忍 NY3 

銀座よりもマンハッタンの方が
家賃が安い? だからこそ有利

池田 今回、日本に帰国して驚いたことがあります。不動産関係者と銀座に建った新しいビルのカフェで打ち合わせをしていたところ、「ここの2階で賃料は坪あたり月30万円ですよ」と聞きました。これってNYではありえないほど高額で、向こうなら超一等地の一階の家賃でも坪辺り月30万円 (為替 $1 = 115 yenとして計算) にはなりません。

2階で坪30万円とは驚きです。それに比べると銀座に一等地は驚異的な高さです。1階になるとさらに高額になり、NYの倍くらいの賃料がかかるようで、それに関わらず利回りは2~3%程度のとのこと。対してNYは銀座より家賃が安いのに利回りは同じ水準ですから、ニューヨークの方が割安に感じます。

内藤 銀座の一等地よりもマンハッタンの一等地の方が、賃料は低いのですね。

池田 これほどギャップがあるとは…というのが正直な感想でした。日本は、ホテル宿泊料や住宅賃料は比較的安いのですが、商業地はずば抜けて高く一等地オフィス賃料は同水準という印象です。企業は儲かっていてもサラリーマンの給与は上がっていませんから家賃やレジデンシャル価格も伸びないのでしょう。

六本木などの高級マンションは別の話ですが。ただし今後、物価が上がり、給与にもプラスに反映されるのであれば、レジデンシャルの価格にも影響するかもしれません。ならば、アップサイドは考えられます。一方で、銀座など一等地のコマーシャルビルはすでに価格が高すぎます。

エンリッチ 内藤忍 NY3−2

内藤 確かに銀座の中心部は高いですね。中心部からちょっと離れると、同じ銀座でも家賃はガクッと落ちますが。

池田 東京は陸続きなのでどんどん広がっていき、都心から外になるほど価格は下がっていきますが、マンハッタンは島という特殊な事情もあります。それを踏まえると、いまは同じ価格だとしても、NYの方が価値は高いと思います。先ほど、アメリカのローン金利は下がるかもしれないとお話ししましたが、そうなると不動産価格は上がりますから、高いポテンシャルを秘めているのではないでしょうか。

内藤 対して、日本のローン金利は下限が見ていて、いまの水準より下がる可能性はあまり高くありません。せいぜい、あと0.5%くらいといったところです。

内藤忍

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