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アートギャラリーを知る 
青山和平 A LIGHTHOUSE CALLED KANATA

はじめから「世界」に焦点を当て、理想の美を追い求めた

E:ニューヨーク大学卒業後、オックスフォード大学大学院で法律を学んでいた経歴をお持ちとのこと、修了後、一見全くジャンルが異なるアートの道へ歩みを進めたきっかけはあったのでしょうか?

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青山:たしかに法律は学びましたが、弁護士になるつもりもなく、法律を用いて政治家などの仕事に就けたらなと思っていました。しかし、いざ修了して帰国するというタイミングで、9歳から一度も会っていなかった父より、「もし進路がまだ決まっていないのであれば、1年間だけでも、自分が経営するやきもの専門のギャラリーで働いてみないか」と言われました。しかし、実際にビジネスのやり方と自分の理想の間にギャップを感じ、一年後に外資系のサラリーマンに転身しました。そのときに妻と出会ったことがきっかけだったと思います。

E:結婚を機に独立を決心されたのですね。

青山:自分が良いと思った作家や作品を世界の方々に紹介したいと考えたときに、当時私が考えていた視点でギャラリーを運営しているところがありませんでした。「なら自分がやってみよう」と、実際の経験はなかったのですが、結婚を機に脱サラを決意して小さなアートコンサルを開業しました。

そして、いただいたご祝儀で会社を興して、知人からお金を借り、まずはアートフェアの出展を目指しました。

E:作家も作品も0の状態で願書を出したとか。

青山:そもそも海外のアートフェアに行ったこともなかったのですが、2008年の1月にロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で開催されたアートフェアにとりあえず「えいや」と応募しました。受かったので、社員もいないので、妻と2人で行きましたね。そのときに6人の作家さんを選んだのですが、数日で全作品が完売して、ヴィクトリア&アルバート博物館や大英博物館もお客様になってくださいました。不思議なことにその当時に出会ったお客様がいまもこのギャラリーを支えてくれています。

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E:いきなり世界のアートフェアに出展しようと考えたのはなぜだったのでしょうか?

青山:お客様が一人もいないし、作家さんもいないし……という状態だったので、効率良く成功するためですかね。あとは「世界で」という想いが強くあったので自分にしかできないことってそういうことなのかなと。

E:日本を飛び越えて、最初から世界を活躍のフィールドに置いていたのですね。

青山:ビギナーズラックじゃないですけど、運が良かったと思います。そのあと2013年に世界三大アートフェアの一つと名高いオランダの「TEFAF」に受かったのが、大きな転機となりました。

TEFAFでは初めての日本ギャラリーとして、またギャラリストとして最年少で合格し、そのときも運良く完売しました。ですが当時スタッフは3人しかいなくて。1人は日本に残して、12日間の会期中、搬入から搬出まですべてのブース運営をたった2人で行いました。

1日に世界中からプライベートジェットが400機集まるようなフェアが「TEFAF」で、世界の王侯貴族や有名企業のCEOが大勢来てくださいました。あのとき初めて本当の大富豪に遭遇しましたね。「作品をロンドンまでお送りしますよ」とご提案したら「いや自分のジェットに乗せれば大丈夫だから」と言われたり(笑)。

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E:ギャラリー経営未経験で、世界中のVIPをはじめ、多くの方に作品を届けることに成功した……青山さんの審美眼と並外れた才能・努力を感じます。

青山:もちろん良い作品というのが原点だと思いますが、KANATAには、接客の仕方や作品の説明方法にも特徴があると思っています。

展覧会の図録の解説なども、学術的なことではなく自分の美意識や感覚を重視して、今なお、私がすべて和英で書いています。実はもともと政治家を志す以前に、小説家になることも夢みていました。英語の文章力があったからオックスフォードも、海外のアートフェアにも受かったのかなと思います。今なお、美術館に「解説は和平が書いて」って言われます。この英文力がギャラリストでは珍しい気がします。

ギャラリーの作品も、内装も、スタッフも、文章も、それぞれの美意識やこだわりを大切にしています。だからこそ長年、世界のVIPの方々に支持いただいているのかなと。

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毎年自分で執筆しているという図録
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エンリッチ編集部

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