子供向けの施設やキャンプも充実
ドバイと同じUAE(アラブ首長国連邦)を構成するアブダビは、世界最大級のSWF(政府系ファンド)を有する豊かな国ですが、経済の多角化を目的としてサッカーを中心に巨額の資金を投じています。最高峰の英国プレミアリーグのマンチェスター・シティはアブダビ政府が所有しており、巨額の資金を投じたことで2017-23年までの7年間で6度の優勝をするなど隆盛を誇っています。
UAEと近い同じく豊かな資源国であるカタールはPSG(パリ・サンジェルマン)を保有しており、今年悲願のUEFAチャンピオンズリーグを優勝しましたし、2022年にはサッカーのW杯を開催して訪問客からは高い評価を得ました。また、GCC(中東湾岸諸国)で最大の経済規模を誇るサウジアラビアは2034年のW杯の開催地に決定しており巨額を資金を投じてスタジアムやインフラを全土で整備していますし、プレミアリーグのニューカッスル・ユナイテッドを所有しています。
また、サウジアラビアはサッカー以外のスポーツ投資にも積極的で、ゴルフについては欧米のプルツアーをはるかに上回る賞金額を誇るLIVツアーを立ち上げて、メジャーの優勝経験を持つブライソン・デシャンボーやブルックス・ケプカ、ジョン・ラームといった世界トップクラスのプレイヤーを移籍させています。また、2029年には完全に人工雪による巨大スノーリゾートを整備して、中東初の開催となる冬のアジア大会の開催も予定していますし、競馬についても世界最高額の賞金を誇る大会を開催しています。
競馬については賞金額こそサウジに世界最高額の座を譲りましたが、ドバイでも毎年春に世界トップクラスのレースを集中的に開催しており、欧米や日本から多くのトップホースが集まります。また、クリケットが人気のエリアであることも当て込んで、この冬からは野球のプロリーグも本格的に立ち上がる予定です。このようにドバイを始めGCC各国ではプロスポーツに巨額の資金を投じていますが、それとともに将来を見据えて子供のスポーツ環境も整えています。

うちの小学生の息子はシンガポールでサッカーと野球を練習しています。昨年のシンガポールのアメリカンスクールが主催する野球大会には、東南アジアや中東から数多くのチームが集まりましたが、ドバイのチームが優勝しました。砂漠の国でどのような練習環境なのか興味を持って、出張の合間に視察しましたが人工芝の見事な球場があり子供用のブルペンも整備されていました。
また、サッカーについても前述したマンチェスター・シティやバルセロナ、ユベントスといった世界トップクラスのフットボールクラブが監修する子供向けのキャンプが長期休暇のタイミングで開催されていますし、世界最大のスポーツエージェントである米IMG社もサッカーとバスケットボールの子供向けキャンプを開催しています。また、現地チームによる野球の子供向けキャンプも同じく数多くあります。
気候も良い冬のタイミングで、サッカーと野球の両方のキャンプに息子を参加させようと予定しています。ドバイで過ごす時間を親と子供ともに健康的に過ごすためにも、スポーツ環境が魅力的であることはとても有難いと感じています。
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