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定義してみると

年収3000万円もしくは純金融資産1億円が目安

以上のように、同じお金持ちといっても、そのパターンは様々である。お金持ちの全員が高額年収なわけではないし、一方では年収が高額であるものの、資産はほとんど持っていない人もいる。

総合的に考えると、いわゆるお金持ちの生活をするために必要な金額というのは、おおよそ以下のようなところが目安になってくる。
 
まず年間の収入でいけば3000万円である。年収2000万円台と3000万円台では、生活水準が一気に変わる。高額年収でいわゆるミリオネア的な生活を送るためには、この金額がひとつの目安になることは間違いない。

だが先にも述べたように、こうした高額年収を得られる人は全体のごくわずかである。多くの富裕層は、自身で事業を保有し、会社から得られる収益や会社で取得する不動産などを使って多角的に資産を形成している。

このような資産ベースで富裕層を定義した場合、不動産のような固定資産の場合には3億円程度、現金や株式といった流動性の高い資産であれば1億円程度が目安と考えてよいだろう。この金額は、働かなくてもその資産から得られる金額で生活できる水準と言い換えることも可能だ。

日本でもここ10年くらいの間に、いわゆる富裕層向けマーケティングの手法が確立してきているが、この業界においても、富裕層の定義は純金融資産が1億円以上である。この金額は理論的にも、そして筆者の皮膚実感とも合っている。やはりこの水準を富裕層のひとつの基準とするのがよいと考えられる。

加谷 珪一 (かや けいいち)

経済評論家。東北大学卒業後、投資ファンド運用会社などで企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任。マネーや経済に関するコラムなどの執筆を行う一方で、億単位の資産を運用する個人投資家の顔も持つ。著書「お金持ちの教科書」(阪急コミュニケーションズ)ほか多数。

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