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情報の受け止め方

情報の受け止め方は年齢によって変わってくる

情報のバイアスは年齢でも生じる。人は年を取ると思考が固まってきて、過去を基準に物事を発想する傾向が強くなってくる。そのタイミングは意外と早くやってくるので注意が必要だ。

東京大学が行った円安とインフレに関するアンケート調査は非常に興味深い結果となっている。

同大学では、円安とインフレについて年齢別にアンケート調査を行ったが、円安についての印象を同じ対象者に1年という時間をおいて尋ねたところ、その変化は年齢によって大きな違いが見られたという。

2013年3月の調査では、円安は悪いものと回答した人の割合は、どの年齢層も同じで約50%前後となっていた(20代は若干低め)。しかし、2014年3月に同じ調査を行ったところ、円安が悪いものと考える人の割合は大幅に増える結果となった。円安がもたらす商品の値上げが、円安に対する印象を悪くしたものと考えられる。

しかし、割合の増加幅は、年齢によって大きく異なっていた。年齢が上がるにつれて、円安が悪いと考える人の割合が高くなっているのだ。年齢が上がるにつれて、ネガティブで保守的な思考回路になる傾向が顕著である。

こうした特徴は他の調査結果でも見受けられる。子供が就きたい職業と親が就かせたい職業に関する調査を見ると面白いことが分かる。

加谷珪一

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