ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回は、2026年のプレミアム系クレジットカードのトレンドから取り上げる。−−−

エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地です。前回は、三井住友カードが募集を始めた「三井住友カードVisa Infinite」について、紹介しました。同カードにおける最上位のクレジットカードで、Visaの最上位ランク「Visa Infinite」に加え、独自の優待・特典を提供するのが特徴です。年会費は10万円以下ながら充実しており、プレミアム系クレジットカードのジャンルで存在感を発揮したい、三井住友カードの意気込みがうかがえます。近年は、各カード会社がエグゼクティブ向けのラインアップを拡充しており、こういったトレンドは2026年も継続するかもしれません。
クレジットカードの二極化が鮮明に
2025年は他にも、三井トラストクラブとANAによる、ANAカード初のメタルカード「ANAダイナース プレミアム メタルカード」と「ANAダイナース スーパーフライヤーズ プレミアム メタルカード」、JCBとANAによる完全招待制のカード「ANA JCB CARD Precious」など、プレミアム系クレジットカードの新規発行がありました。加えて、資産運用サービスやまちなかラウンジなど、会員向けの特典・サービスもさらなる広がりを見せています。
こうした動きから感じるのは、年会費が高額のラグジュアリー系と、無料もしくはリーズナブルな一般カードの二極化が、さらに進展したこと。日本では純金融資産が1億円以上の富裕層と超富裕層が増えており、彼らのニーズに応えるためにプラチナの先となるカードの発行が目立ちました。一方、リーズナブルで持ちやすいカードは採算が合わないのか、特典を縮小したり新規受付を停止したりする動きもあったようです。
如実なのは、保険の扱いです。東急カードは2026年3月31日をもって、国内旅行傷害保険の提供を終了すると発表しました。ライフカードも同日以降は、日本国内の住まいを出発する旅行から、海外旅行傷害保険は自動付帯から利用付帯に変更。救援者費用を引き下げ、航空機出航遅延、欠航、搭乗不能費用、航空機乗り継ぎ遅延費用などを新たに付帯しました。空港ラウンジ特典の終了もいくつかありました。
保険は利用が限られるのにカード会社の負担が重い、空港ラウンジに関してはカード年会費とのバランスが悪いといった事情が考えられます。カード会社の手数料収入も全体的に下がっており、収益性が低下するなか、特典やサービスを絞りたいというのがカード会社の本音でしょう。
今年もこういったトレンドは継続し、カード各社では取扱カードの立ち位置やターゲットを、より鮮明にしていくかもしれません。
気になるのは、三菱UFJニコスです。同社は2025年12月に、傘下のDCカードとMUFGカードの基幹システムとアプリを統合しました。以降は三菱UFJカードとして新規の申し込みを受け付けていますが、新たにハイクラスカードを発行する可能性があります。というのも、同社のライバルである三井住友カードは、先述した「三井住友カードVisa Infinite」の発行をすでに始めており、今年には総合金融サービスの「Olive」にも、同カードを採用する見通しです。三菱UFJニコスもシステム・アプリの統合を経て、攻めの姿勢に転じるのではないでしょうか。
いずれにしても、日本国内の主要クレジットカード会社はプラチナ以上のカードの発行に注力しています。いずれも好評で、2024年11月に提供を始めたNTTドコモの「dカードPLATINUM」は、およそ11カ月で100万人超の会員を獲得しました。
一方で、プレミアム系クレジットカードでは年会費の引き上げも目立ちました。例えば、クレディセゾンの「セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」は2万2000円から3万3000円(2025年8月以降)、アメックスの「Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・カード」は4万9500円から8万2500円(2025年11月以降)、「ダイナースクラブ プレミアムカード」は14万3000円から16万5000円(2026年4月10日以降)といった具合です。特典・サービスの拡充や原価価格の高騰が背景にあり、こうしたトレンドは他のカードに波及する可能性があります。2026年は、コストと特典・サービスに見合うカード選びが、より求められるようになるかもしれません。
−−−刻一刻と変化する、プレミアム系クレジットカードを取り巻く環境。今後も注視する必要がありそうだ。次回は、キャッシュレス決済の動向ついて概観する。









