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プラチナカードを中心とした新たな動向を探る 2/3    

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。5月2回目は、新たに登場したクレジットカードについて取り上げる。(1/3から読む)−−−

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JCBとANAがインビテーション制のカードを発行開始

JCBとANAは完全招待制の「ANA JCB CARD Precious」の発行を始めています。対象者は「ANA JCBワイドゴールドカード」の会員、かつ「ショッピング利用合計金額が年間300万円以上」の条件を満たしている人です。

年会費は3万9600円。ポイントコースはカード利用1000円につきOkiDokiポイントを1ポイント=10マイルに移行できる「10マイルコース」となります。入会・継続ボーナスマイル5000マイル、年間のカード利用金額合計が300万円以上の場合、利用金額1000円に対して2マイル付与する「ご利用ボーナスマイル」も適用されます。この場合のマイル還元率は1.2%です。

プラチナの名称を冠していませんが、特典を見る限り、同カードはプラチナカードに相当するのが特徴です。プライオリティパスやプラチナコンシェルジュデスク、国内外旅行傷害保険は最大1億円、フライト遅延時の宿泊・飲食代、手荷物紛失時の衣類購入費の補償、買い物時の破損・盗難を年間最高500万円補償するショッピングガード保険などが付帯しています。加えて会員限定のANAサービス特典として、「ANAトラベラーズの割引クーポン」、「ANAカードイベント当選確率アップ」も2025年限定の特典として提供しています。なお、 初回の招待はダイレクトメール(郵送)で案内が届きます。 ANA JCBワイドゴールドカードを持たないといけない、カード利用年間300万円といった要件はあるものの、ANAを頻繁に利用する人がリーズナブルにプラチナ級のサービスを受けたいと考えるなら、適しているかもしません。

JCBに関しては、ザ・クラスとプラチナの会員のうち、高額利用者向けに新たな特典も追加しています。同カードは2025年4月に、予約困難店舗やミシュランガイド掲載店舗を中心とした約1000店舗から条件に合う店舗を検索・予約できるほか、会員を対象とした限定メニューやキャンペーン、イベントを実施する「JCBスター・ダイニング by OMAKASE」を開始しました。さらには予約困難なレストランでの貸切イベントや会員制ゴルフ場でコンペ、普段はなかなかできない旅行の手配といった、希少性の高い体験を対象者限定で提供する「Special Offer」も始めました。こちらの招待条件は「年間のカード利用額上位」となっていて、詳細は非公開です。

JCBは2026年よりポイントプログラムをリニューアルし、ポイント優遇サービス「JCBスターメンバーズ」の内容も変更するとしています。これに伴い、当年の利用額に応じてすぐに優遇ポイントがたまるようになります。特典の付与条件も大きく変わる可能性があり、こういった特典を始めているのでしょう。詳細はまだ明らかになっていませんが、わかり次第ここでもお伝えいたします。

−−−近年はプラチナカードに対するニーズは高く、JCBとANAはそれに応えた格好だ。また、高額利用者に対する還元策も充実させようとしていることがわかる。次回も引き続き、プレミアム系クレジットカードの新たな取り組みを紹介しよう。

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菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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