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海外不動産投資の資金調達スキーム 2/4

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。今回は、松石滋樹氏をお招きし、国内金融機関を利用した海外不動産投資をテーマに対談を行っている。(1/4回から読む)ーーー

エンリッチ マネーカフェ 1612 2

日本政策金融公庫をはじめ
民間銀行も融資を始めている

内藤 無担保のフリーローンであれば何に使うも自由ですから、4~5%の金利だったとしても、現地で10%で回すことができれば問題はありません。

しかしながら、円で借りて外貨で投資をするから為替リスクはつきまといます。仮に1米ドルが125円の時に始めたなんて人は、いまはおよそ10円も円高になっていますから、これは大変な話。以前、スイスフランを借りてユーロ圏のスペインでリゾート地を買った人がいると聞きましたが、その後、ユーロが対スイスフランで急落し、スペインの不景気による資産価値の下落とのダブルでローン破たんが続出したそうです。本来、フィリピンの物件に投資するならペソで借りてペソで買えばいいのですが、外国人だとそうもいかない事情があります。

一方、円安になるなら為替差益が発生しますから、その流れは大きな追い風です。基本的に海外不動産投資は、リスクは伴いますが、長期的に円安を考えている人に向いているということです。ちなみに現状だと、どういった金融機関が、どういった条件で融資を付けていますか。

松石 もっとも実績があるのは、政府系の公的な金融機関として知られる、日本政策金融公庫です。昨今は、不動産賃貸事業への融資という前提で、海外不動産の購入資金に対する融資を行っています。他の民間銀行が貸し出すケースも出てきました。貸出金利は1%台~2%弱(公庫で借入期間20年の場合)というケースが多いです。

内藤忍

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