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新機軸のクレジットカード&積立サービス 2/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月はユニークなサービスを提供するクレジットカードを挙げている。(1/3から読む)−−−

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投資+クレジットカードはトレンド
資産形成に活用できるものも登場

ここ数年、投信積立の買付に利用できたり、たまったポイントで株式や投資信託を購入できるクレジットカードが徐々に増えています。証券口座と紐づけることで金融商品の買付から決済の流れをスムーズにできる投資とクレジットカードの相性はよく、こういったサービスは今後も増えていくでしょう。

こうしたなか、資産形成をサービスに据えたクレジットカードも登場していて、そのひとつがフィンテックベンチャーのカンムが手掛ける「Pool(プール)」です。

Poolは発行手数料・年会費ともに無料で、専用のアプリから登録するとクレジットカードが発行。次に、銀行振り込みで「ウォレット」に入金すると、その金額が「ウォレット残高」に反映されます。Poolがユニークなのは、ウォレットに入金した金額に応じてクレジットカードで使える金額が変わるという点。さらに、クレジットカードの利用代金はウォレット残高から支払い(足りない場合は支払い日までに追加でウォレットに入金する)、使った金額の1%はウォレット残高に反映され、次回以降のクレジットカード利用代金の支払いに使うことができます。

ウォレット残高からは、1000円~1000万円の範囲で投資することも可能で、投資額に対して年利1%が期待でき、2か月後の運用期間後に分配金を受け取れます。現状の投資先はカンムのバンドルカード事業(Visaプリペイドカード事業)のみですが、市場性がない投資商品なので、日々の値動きを気にすることなく資産を運用できるのが特徴です。なお、クレジットカード決済代金の1%還元は、投資資金として使い複利効果を期待することもできます。ただし、投資なので元本は保証されず、仮にカンムが債務不履行等をした場合は、損失が発生する可能性があります。

このように、入金したお金を投資に回すことができるPoolのサービス。現時点での投資先はバンドルカード事業のみですが、今後の機能追加により複数の投資先が選択可能になるといいます。投資とクレジットカードを組み合わせたという点で、ユニークなコンセプトです。

スタートアップ企業のFivotによるスマート積立アプリ「IDARE(イデア)」も個性的なサービスです。IDAREでは、欲しいものや行きたい場所、やりたいことなど、積立をする目標を設定のうえ、自身にあった積立ルールを設定します。クレジットカードから自動で積み立てる自動積立の金額や積立の間隔・積立日を決めると、あとはお任せ。ルールに従いIDAREが目標に向かい積み立てを始めると同時に、月の平均残高に対して、最大で年利2%のボーナスを毎月付与します。お金をためる・増やすを同時にできるのは画期的です。なお、たまった残高はアプリ上で発行するバーチャルVisaプリペイドカードでネット決済に使ったり、有料のリアルカードを発行するとVisa加盟店で使えます。

−−−決済だけではなく、投資や資産形成に使えるクレジットカード。ユニークな試みと言えるだろう。次回は大手百貨店が始めた銀行事業と積立サービスについて取り上げよう。

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菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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