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The Style Concierge

サブカードとして価値を発揮するエアライン系カード 2/3回

ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。前回は外資系エアラインで便利なカードをテーマに挙げているが、話を進めていこう。

航空会社を絞り込まずにメリットを享受する手段もある

前編では、デルタ航空、キャセイパシフィック航空、ユナイテッド航空から発行されている提携カードを取り上げました。ようは、エアライン系のカードを持つ場合に、ANAやJALにこだわる必要はなく、外資系エアラインカードを選ぶという選択肢もあるということです。しかも、デルタ スカイマイル・アメックスゴールドカードであれば、ホルダーになることでデルタ航空の上級会員であるゴールドメダリオンも取得できるのですから、これは日系エアライン系カードには見られない高いバリューです。

しかしながら、なかには特定の航空会社にこだわらず、幅広く利用するというかたもいるでしょう。こういった場合、メリットを最大化できるカードはないのでしょうか。

エンリッチ 菊池

ひとつの提案は、「アメックス・プラチナ」で貯めたポイントをマイルに移行するという手段です。アメックス・プラチナの場合、基本的にカード利用100円=1ポイントが付与され、1P=1マイルに移行することが可能です。ポイントに有効期限はないので、ホルダーが望むタイミングでマイルに換えられるという利便性の高さも評価できる点で、移行先もANA、デルタ航空、キャセイパシフィック航空、ヴァージン・アトランティック航空、シンガポール航空など多岐にわたります(一部、移行上限あり)。プライオリティ・パスも無料で発行されますから、ラウンジ利用でも不便は生じません。メインとなるブラック・プレミアム系カード1枚で済ますということも可能だということです。ただし、マイル移行には参加費や移行手数料が発生します。

他方、複数エアラインのマイル移行に特化したカードもあります。さっそく紹介しましょう。

アメリカン・エキスプレス®・スカイ・トラベラー・カード

年会費:1万円+消費税(家族会員5000円+消費税)
ポイント付与:100円=1ポイント
海外旅行傷害保険:最高3000万円 国内旅行傷害保険:最高2000万円

これは、航空マイルに特化したアメックスブランドのカード。貯まったポイントを提携航空会社のマイル移行に使えるのですが、その対象は13社と幅広いのが特徴です。

提携航空会社:ANA、チャイナエアライン、デルタ航空、ヴァージン・アトランティック航空、タイ国際航空、キャセイパシフィック航空、アリタリア‐イタリア航空、エティハド航空、エミレーツ航空、シンガポール航空、スカンジナビア航空、フィンランド航空、ブリティッシュ・エアウェイズ

ポイントの有効期限は無期限なので、失効に焦ることなく貯め続けられるのもメリットです。ただし、各航空会社のマイレージプログラムへの手続きが必要で、ANAマイルの移行には別途参加登録費が求められます。少しばかり手間がかかるのは難点ですが、ローコストで持てる付加価値の高いカードであることは確かです。
ポイントも、対象航空会社の航空券や対象旅行代理店の指定旅行商品の購入だと3倍になり、入会時には3000ボーナスポイントを付与。空港ラウンジや手荷物無料宅配サービスといった、エアライン系カードでお馴染のサービスも付帯していますから、サブカードとしては申し分のないスペックです。

なお、同カードには上級カードに位置する「アメリカン・エキスプレス®・スカイ・トラベラー・プレミア・カード」もあり、年会費は3万5000円+消費税。こちらだと、対象航空会社の航空券や対象旅行代理店の指定旅行商品の購入だとポイントは5倍、入会時ボーナスポイントは5000ポイントです。マイルの貯まりやすは圧倒的で、日本旅行での商品やJRチケットなどもポイント付与の対象になります。

いずれにしろ、ANAを除けば移行手数料はかからず、ポイントの有効期限は無期限。非常に優れたカードだと思います。

菊地崇仁

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