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エアライン系プレミアムカードを極める:JAL編 1/3回

ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。プライベートやビジネスに何かと身近な存在だからこそ、本当の価値を知り、使いこなしていただきたいというのが目的だ。

JAL

4月のテーマは先月に引き続き「エアライン系プレミアムカード」。今回はJALのクレジットカードについて、付加価値の見出し方を探っていこう。

エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地崇仁です。前回は、「エアライン系プレミアムカードを極める」というテーマで、ANAカードを取り上げました。同社からは、VISA、JCB、アメックス、ダイナースといった主要国際ブランドを冠した提携プレミアムカードが発行されていて、いずれも入会・継続時、搭乗時のボーナスマイルが一般・ゴールドカードよりも多く、手厚い旅行保険やコンシェルジュデスク、グルメクーポンといったブラック・プレミアム系カードではお馴染みのサービスが付帯しているといった内容でした。アメックスとダイナースはメインカード向きですが、VISA、JCBは年会費が7~8万円(税抜)とコスト負担が軽いのでサブとして、ANA便やスターアライアンスに加盟する航空会社便に搭乗する機会が多いなら選択肢として考えられるとお伝えしました。

さらに、搭乗実績に応じて取得できる「プレミアムメンバー」も魅力的で、「ダイヤモンドサービス」「プラチナサービス」を受けている時に申し込める「ANAスーパーフライヤーズカード」を持てば、ホルダー期間中は特別優待を受けられることから、非常に付加価値が高いとも。エアラインの利用が多いなら、こういった資格は取得しておきたいところです。

クレジットカードのサービスはますます磨かれる?

今月は、JAL系のプレミアムカードを取り上げますが、その前に小ネタから始めさせてください。

読者の皆さまであれば、すでにメインとサブというように、複数のカードをお持ちかもしれませんが…いま日本では、何枚のクレジットカードが発行されているかご存知でしょうか。なんと、その数2億5979万枚(2013年/日本クレジット協会調べ)というから驚きです。すでに国民の数以上の枚数が発行されていて、もちろん子どもなどカードを所有できない・してない人もいますから、ホルダーだと1人あたり3枚は持っているのではないでしょうか。私のように何十枚も所有しているケースも一部はあるかもしれませんが…。このデータは2013年時点のモノですが、当時より景気が回復しているいまは、さらに発行枚数は伸びているかもしれません。

エンリッチ 菊地

カード利用も年を追うごとに増えていて、カードショッピングだと2003年は年間約23兆円だったのが、2012年は約40兆円と、ほぼ倍増(日本クレジット協会調べ)。これは、コンビニやスーパーなどカードを使える場所が増えたこともありますが、カードホルダーがアクティブに利用していることも意味します。昔ならクレジットカード=借金というイメージでしたが、いまは希薄ですし、何より使うことで貯まるマイルやポイントに魅力を感じている人が多いのでしょう。

日本のカード利用率は17%とアメリカの40%に比べて半分の水準。まだまだ高まる余地があります。それは同時に、カード利用を促すため、さらに付加価値の高いサービスが登場することも意味するのかもしれません。カード各社も高い年会費が確保でき、かつ積極的に使ってくれるブラック・プレミアム系のホルダーは確保したいところ。今後の展開に期待したいところです。

ちなみに、新年度にあたる4月は、カード各社が顧客の獲得に力を入れる時期。とくに新社会人はカードデビューするケースが多く、入会キャンペーンを実施しているようです。経営者の方であればオフィスで話題にあがるかもしれませんが、年会費やポイント還元率、付帯サービスといった点から、アドバイスをしてみてはいかがでしょうか。意外に盛り上がるかもしれません。

話を本筋に戻しましょう。ANAと同じくJALでもカード各社と提携したクレジットカードを発行しています。基本的な機能・サービスは、ボーナスマイル、カード利用に応じたマイル付与、JALグループの割引・サービス、付帯旅行保険といったところで、カードクラスにより特典レベルが変わります。券種は大別すると次の通りです。

●一般カード:基本的な機能とサービスを提供するスタンダードカード
●CLUB-Aカード:搭乗時のボーナスマイルやカード保険が充実したカード
●CLUB-Aゴールドカード:CLUB-Aカードに提携カード会社のゴールドサービスを付帯
●プラチナカード:プライオリティ・パスなどを付帯するJALカード最高位

一般カード
一般カード
CLUB-A ゴールド
CLUB-A ゴールド
プラチナカード。全て菊地氏私物
プラチナカード。全て菊地氏私物

このように、カードクラスが4つにわかれるのですが、年会費はクラスごとで固定。一般カード=2160円(アメックス6480円)、CLUB-Aカード=1万800円、CLUB-Aゴールドカード=1万7280円(アメックス2万520円/ダイナース3万240円)、プラチナ=3万3480円(すべて税込)となっていて、カードごとにバラバラなANAに比べると統一感が見られます。プラチナカードの年会費も非常にリーズナブルです。それでは次回は、この最高位カードのスペックについて触れていきましょう。

 
JALマイラー必携のJALカード。一般~プラチナカードと大きく4つにわかれることがわかった。気になるのはプラチナカードだが、そのスペックは? 中編ではその詳細に迫ろう。


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菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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