ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

アートギャラリーを知る 
玉屋喜崇 GYOKUEI

アートとは、人生に寄り添う物語

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E:玉屋さんにとって、長く価値を持ち続けるアートとはどんな作品だと考えますか?

玉屋:アートに限らず、専門家は勉強すればするほど回答は「分からない」になるそうです。ただ、まやかしはダメなんだろうなと思います。表面的なものやコネクションなどで売れるようになっても残らないことは歴史が証明しています。またどんなにコンセプトを取り繕ったとしても限界があるので、やはり「色」と「形」がよいものを見極めることが必要なのではないのでしょうか。

E:20年間ギャラリーを経営するなかで、アートの流行や傾向も少しずつ変化しているかと思います。現在のトレンドに対して思うことはありますか?

玉屋:トレンドの波が来ると、それにくっついて来る人達が一定数いるのですが、波が去ると同時に皆いなくなります。一過性のものなので僕自身もトレンドの傾向は追わないようにしています。

バブル・リーマンショック・コロナを経て今また絵の価格が下がりつつあるので、アートが本当に好きな人だけが残っていくと思います。

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E:アートとは手に取る人の人生において、どんな存在になりうるものだと思いますか?

玉屋:人生に彩りを与えてくれます。アート作品は手放したくない「物語」のような存在かもしれません。 もちろん高額なものなので「資産」という側面もあると思いますが、そんなことを凌駕するほど豊かなものをもたらせてくれます。

これは僕の経験談なのですが、資金のためにアートを手放すことになった長いお付き合いのコレクターさんがいて。まとまった金額が欲しいとのことだったので、「思い切って一気に売りましょう」とご提案したのですが、そのときに「玉屋さんと夜通し何時間もこの絵のために話をした、その物語が好きだったので、一度に売ってしまうのはストーリーごと手放す気がして寂しいんです」と躊躇された姿を見てそういう視点もたしかにあるなとドキッとさせられました。

アートとは、その人の人生に寄り添う物語のような一面もあるのかもしれません。

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E:これからアートの世界に足を踏み入れてみようと思っているエンリッチの読者に向けて、ぜひメッセージをお願いします。

玉屋:もし絵が欲しいなと思ったら、無理に買わなくても良いのでまずはギャラリーに足を運んでみて、店主と話が合うかどうか、一緒に物語を作っていけそうかを考えてみると良いのではないでしょうか。

「これは〇〇さんから買ったんだ」という経験や、作品について語り合った思い出も一種の付加価値になると思います。


取材協力:GYOKUEI
撮影:平川友絵
TEXT:田宮有莉

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エンリッチ編集部

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