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The Style Concierge

ロンドン 2/3 
ロンドンの高級不動産

中東の王族以外にも、ルイヴィトングループが手掛けて前述したワン・ハイド・パークの向かいにあるブルガリ・レジデンスも注目されています。今回の視察旅行ではロンドンのハイエンドサービスを体感するために、1泊だけ同じ建物にあるブルガリ・ホテルに宿泊しましたが、洗練されたデザインの部屋でレストランのレベルも高く、ロンドンの中心も中心に25mプールまであって素晴らしい思い出となりました。ブルガリ・レジデンスの1室は2013年に3,900万ポンド(約51億円)で売却されていますが、こうした上質なサービスを日常的に受けられるのであれば、十分な資金がある人にとっては良い投資だと感じました。

ここまで、数十億円~100億円以上の桁違いに高級なレジデンスばかり紹介してきましたが、もちろん数億円~10億円位のコンドミニアムでも、ロンドンならではの魅力を備えた高級物件がたくさんあります。今回の視察旅行ではこの価格帯の物件を希望しているお客様が中心だったので色々と見て回りましたが、その中で最も印象に残っているのがOne Tower Bridge(ワン・タワー・ブリッジ)です。

タワー・ブリッジのバルコニーからの眺望
タワー・ブリッジのバルコニーからの眺望

その名のとおり、世界遺産であるタワー・ブリッジがバルコニーから眺められます。タワー・ブリッジに加えて、同じく世界遺産であるタワー・オブ・ロンドンやシティの金融街がのぞめ、さらには市長オフィスにも隣接している素晴らしい立地です。手掛けているのは英国最大のディベロッパーであるバークリーグループで、コンドミニアムだけでなく900人も収容できる劇場やファインダイニング、高級ブランドのショッピングモールなど、素晴らしい立地を生かした一体型のハイエンドな街づくりを計画しています。

 タワー・ブリッジの室内
タワー・ブリッジの室内

ポンドが下がったことと、ロンドンの高級不動産市場が軟調になっていることを受けて、写真にあるバルコニーからタワー・ブリッジを間近に見られる上層階の部屋で、約300㎡で840万ポンド(約11億円)と円建てでは昨年末から30%ほど安くなっています。この金額でも東京の物件と比較すると割高に感じるかもしれませんが、天井の高さやゆったりとした間取り、ハイエンドの製品がビルトインされた広いキッチン、デザインのセンスなど、どれをとっても国内の高級とされる物件とは比較になりません。この物件でしか見られないユニークなビューも含めて、視察されたお客様もとても気に入っていました。

今回、ロンドンの超高級不動産を視察して感じたことは、シンガポールや香港などアジアの中でグローバル化が進んでいるされる都市と比較しても桁違いに大きなお金が流入して、その資本がロンドンの歴史的な街並みと相まって、世界でも稀有なハイエンドの不動産市場が形成されていることです。残念ながらロンドンの不動産を視察した後は、東京はもちろんアジアのどの都市の超高級物件を見ても、見劣りして魅力的に感じることはなくなりそうです。

次回は、ロンドンの食やショッピングなどライフスタイルに焦点を当てたいと思います。

岡村聡_300

岡村 聡 (おかむら さとし)

シンガポールで資産運用のアドバイスを行う株式会社S&S investments代表取締役。 マッキンゼー&カンパニー、アドバンテッジ・パートナーズなどを経て、2010年11月に妻と2人で同社を設立。現在、資産運用に加えて、海外移住や海外不動産投資などのコンサルティングも行っている。著書に「世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣」(KADOKAWA/中経出版)など。

連載コラム

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岡村聡 著
 
『世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣』
KADOKAWA 1,540円(税込)
 
日本とシンガポールで、超富裕層を対象にファミリーオフィスを経営する著者が、「本当の富裕層」から学んだ、お金を使いこなし、豊かな人生をおくる術を解き明かす一冊。

岡村聡

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