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途轍もない規模の新開発計画フォレストシティ

エンリッチ ジョホール

今回は、私たちが半年ほど前から暮らしているマレーシア最南端の都市ジョホールの新開発計画フォレストシティについて紹介します。これまで、その街を代表する大富豪とともに都市別のコラムを連載してきましたが、今回は1つの開発計画ではレベル感が異なると感じるでしょう。しかし、フォレストシティはゼロから新たな都市を作り上げるほどの野心的なプロジェクトですので、1回のコラムを使って紹介します。

私たち家族は3年前にシンガポールに移住しましたが、昨年9月に子供がジョホールにあるマルボロカレッジに転校したので、ジョホールにも家を借りました。以来、妻と子供は平日にジョホール、休日にシンガポールという生活をしていて、そこに私が東京とジョホール/シンガポールを数週間ごとに移動するという生活をしています。

そのジョホールは、イスカンダル計画という野心的な再開発計画で知られています。イスカンダル計画は東京都と同じ大きさの広大なエリアに、2006年~25年までの20年間で10兆円以上の巨費を投じて、人口を約150万人から300万人にまで増やすという野心的なプロジェクトです。住宅開発だけでなく、法人税の特区を作ってハイテクやヘルスケア、金融、教育などの高付加価値産業を育成していくプランもあります。

当然ながらこのプランはジョホール単体では実現できず、わずか数百メートルの水道のみを経て位置するシンガポールとの連携が不可欠です。現在、シンガポールとジョホールの間はコーズウェイとセカンドリンクという2つの自動車道路で移動することが一般的ですが、平日の夕方など混む時間帯では国境を超えるだけで2‐3時間かかることもあります。

エンリッチ フォレストシティ 2

これが、電車で行き来できるようになるとはるかに利便性が高まります。現在、コーズウェイの近くを通ってシンガポールからジョホールまで地下鉄で結ぶ計画と、クアラルンプールからジョホールを経てセカンドリンクの近くを通ってシンガポールの西部とを結ぶ高速鉄道計画があります。

どちらも2020年辺りの完成を目指していますが、まだ工事はほとんど進んでいないため、個人的にはイスカンダル計画が終了する2025年くらいまでには完成すれば上出来と考えています。

イスカンダル計画が始まってから、マレーシアの大手ディベロッパーはもちろん、中国やシンガポールのディベロッパーも大挙参加して、ジョホールは突如高層コンドミニアムが林立する都市となりました。ただ、既に供給過剰感は否めず、ジョホールでも人気のイオンショッピングモールから徒歩5分ほどにある、現在私たちが生活をしているコンドミニアムは5ベッドルーム250㎡のペントハウスが月10万円ほどで借りられるなど、賃料価格は低迷しています。現在借りている部屋はおそ、らくオーナーが購入した時には5,000万円以上したでしょうから、賃貸利回りは2%ほどしかない計算となります。

岡村聡

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