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【21】金融資産と実物資産の適切な比率とは?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回の質問は「投資の配分」について。金融資産と実物資産の両方を持つ場合、どういったバランスがお勧めなのでしょうか。ーーー

金融資産と実物資産の適切な比率とは?

Q(質問者):内藤さんは投資をする際、「金融資産と実物資産の組み合わせが重要」とおっしゃっています。それは理解できましたが、具体的にふたつをどのような比率にしたら良いのでしょうか。

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A(内藤氏):金融資産(株、債券、投資信託、FXなど)と実物資産(不動産、コモディティ)には投資対象としての違いがあり、それぞれのメリットを上手に組み合わせることが重要です。

金融資産は、取引コストが低く、流動性が高く、少額で投資できるというメリットがあります。ネット証券を使った個別株の手数料は低水準で、口座を開けばすぐに始められることからも、お分かりではないでしょうか。ノーロードのインデックスファンドもたくさんあり、FXに関しても取引手数料は無料のサービスがほとんどです。ただし、市場の効率性が高く、アクティブに運用しても平均を上回るのは難しいというデメリットがあります。

一方の実物資産は、取引コストが高く、流動性も低く、最低投資金額も不動産なら最低でも1000万円以上からと大きくなってしまうデメリットがあります。しかし、市場に「歪み」を見つけることが比較的簡単で、そこから超過リターンを狙うことも可能です。

例えば、相続などの理由で急いで売らないといけない物件がある場合、相場よりもはるかに安く購入できるなんてことも。こういった歪みを活用して物件が手に入れば、高利回りの賃貸物件にすることも不可能ではありません。

このようなそれぞれの特徴を理解しながら、2つの資産の組み合わせを考えていくことになりますが、算数の答えのように、唯一の正解がある訳ではありません。

まず、投資に回す資産が1000万円以下の場合、金融資産だけを使って、インデックス運用をしていくのが良いでしょう。投資信託なら積立もできますから、毎月の投資を続けることで元本を増やしていけます。いまなら、投資利益が非課税にできる「つみたてNISA」の利用は悪くありません。

内藤忍

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