ENRICH(エンリッチ)

YBM_TOP

ポルトガルに押し寄せる米国ホテルブランド

欧州リゾートの次なる主役へ

UR101_Cascais1
カスカイスのゴルフコース

これまで、ポルトガルというと英国やドイツを中心とした欧州北部の主要国からの避寒地や、夏休みのバカンスの旅行先というのが定番でしたが、ここまで米国人に人気となっている背景には物価の安さがあります。以前からこちらのコラムでも米国の主要都市の物価の高さについては何度か指摘してきましたが、円安が進む日本人にとってはユーロが強いことで高く感じるポルトガルの外食やホテルなどの価格も、米国人にとっては安く映り、さらに、米国では2割が相場となっているチップが不要なことも相まって、気軽に訪れられる欧州の観光地というイメージが高まっています。

ここまで紹介してきたホテル運営側にとってポルトガルは、RevPAR(客室当たりの平均売上)が23年に65ユーロだったところから、24年:69ユーロ、25年:72ユーロと年率5%のペースで改善している勢いがあるマーケットである一方、フランスやスペインと比較するとまだまだ割安で今後の成長も十分に期待できるという魅力があります。

そして、ポルトガルはこれまでPestanaやVila Galeといったポルトガル発のブランドによるホテルが多いことも、前述した米国の大手ホテルブランドにとっては成長余地の大きさとして映っています。ここ10年で一気に米国系のホテルが増えたイタリアやスペインでの成功の再現を狙っています。

UR101_Cascais2

また、アルガルヴェやカスカイス共に、ゴルフコースの写真をこちらのコラムに掲載していることからもわかる通り、米国人が好む大規模なプールやゴルフコースを備えた巨大リゾートが作りやすい環境にあり、季節を問わず大規模にゲストを呼び込めるMICE需要を取り込みやすいエリアが数多くあることも、米国での勝ちパターンを再現しやすく米国発ブランドにとって魅力的です。

さらには、ポルトガルは富裕層向けのビザや永住権の制度が充実しており、実際にトランプ政権誕生後に米国人富裕層のポルトガルへの移住は急増しています。こうした米国人富裕層が好む、大手ホテルブランドが運営する高級レジデンスへの需要が増えることも大きなビジネスチャンスでしょう。

私たちも個人的にマリオットボンヴォイのポイントを貯めており、今後数年はサッカーに真剣に取り組んでいる息子の関係でポルトガルを訪れることも増えそうですから、ラゴスやアゾレス諸島などこれまで訪れたことがなく、かつマリオット系列のホテルが開業もしくは開業予定の場所を優先的に周りたいと計画しています。

岡村聡_300

岡村 聡 (おかむら さとし)

シンガポールで資産運用のアドバイスを行う株式会社S&S investments代表取締役。 マッキンゼー&カンパニー、アドバンテッジ・パートナーズなどを経て、2010年11月に妻と2人で同社を設立。現在、資産運用に加えて、海外移住や海外不動産投資などのコンサルティングも行っている。著書に「世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣」(KADOKAWA/中経出版)など。

連載コラム

okamura_book
岡村聡 著
 
『世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣』
KADOKAWA 1,540円(税込)
 
日本とシンガポールで、超富裕層を対象にファミリーオフィスを経営する著者が、「本当の富裕層」から学んだ、お金を使いこなし、豊かな人生をおくる術を解き明かす一冊。

岡村聡_300
岡村聡

Return Top