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少人数の出会いを求め、大人数の出会いを求めない

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名刺交換だけの人脈は発展しない

社内だけの人間関係に閉塞感を覚え、社外の人脈を広げたいと考えているビジネスパーソンは少なくありません。ましてや、最後は一人で社運を賭けた決断が求められる経営トップにとっては、より切実とも言えるでしょう。

あなたが経営トップなら、どのような場に出会いを求めるでしょうか。

「どうせなら規模の大きい異業種交流会・同業種交流会に参加して、多くの人と人脈を築きたい」と考えるなら、あなたは「失敗するリーダー」です。

というのも、数十人、100人規模の交流会というのは、多くの人と会うことはできても、名刺交換をして、挨拶をして、軽く自己紹介をする程度で終わってしまうことが多いからです。なかには、たくさんの名刺をもらって、それだけで人脈が増えたように錯覚してしまう人もいます。しかし、顔も思い出せなければ、その人のパーソナリティや強みも思い浮かばない名刺だけのつながりは、ほぼ発展することはないでしょう。

考えてもみてください。あなた自身、大量に名刺交換したうちの一人に自分の時間を割いてまで情報提供をしたいと思うでしょうか? 自分に何のメリットがあるのかもわからないのに、力を貸そうという気など起きないはずです。

人と人との関係というのは、ビジネスの場であろうが、プライベートだろうが、シンプルに考えるべきです。お互いを深く理解し、共感することによって初めて本物のつながりが生まれるのです。残念ながら、大人数の交流会だけではそのチャンスはありません。
社外での出会いはもっと違うかたちで求めるべきなのです。

少人数での継続した学びや交流の場を持つ

一代で上場企業を作ったある経営者は「新たに人とつながりを持とうとしたら、サシで食事をする」と語っていましたが、大切なのはまさにこの考え方。これが「成功するリーダー」の人脈の作り方です。

いきなり数を求めるのではなく、お互いをよく理解し合うことができる、よりパーソナルな出会いの場を大切にするべきなのです。

一般のビジネスパーソンが会ったことのない人といきなり食事の機会を設けるのはそう簡単ではないでしょうが、誰でもパーソナルな出会いが得られる場はいくつかあります。

私たちの会社では、「働きがいを育む講師養成講座」という、通年での濃密な双方向型の講座を開催していますが、参加者は多くても10人程度としています。少数の参加者が深い対話を重ねながら学ぶプログラムなので、お互いの考え方やパーソナリティを理解でき、ときには深い共感も得られます。回を重ねるごとに学び合いが進み、その場限りではない関係がいくつも生まれるのです。

定期的に参加する交流の催しや勉強会も、少人数で、参加者が10~15分程度で自分のことをプレゼンテーションできるような場がいいでしょう。自分を知ってもらうこともできますし、他の参加者の経歴や考え方なども少しはわかりますから、深いつながりを得るきっかけになりえます。

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前川孝雄

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