ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。前回に引き続き、新たに募集が始まった「三井住友カードVisa Infinite」について解説する。(1/3から読む)−−−

「三井住友カード プラチナプリファード」の上位カード
三井住友カードでは、年会費5万5000円(税込)で特典を重視した「三井住友カード プラチナ」、年会費3万3000円(税込)でポイント付与に特化した「三井住友カード プラチナプリファード」といった、プレミアム会員向けのカードをすでに発行しています。「三井住友カードVisa Infinite」はさらに上をいく存在ですが、年会費が10万円を切ったことは、正直驚きです。現在は、クレジットカード各社がプラチナクラス以上のカードを発行しており、年会費は優に10万円を超えます。そうしたなか、この価格設定は絶妙だと感じました。なおかつ、年間700万円以上使うと11万ポイントを獲得できるので、年会費分はペイできます。「三井住友カード プラチナプリファード」も年間400万円の利用で4万ポイントが付与されますが、ここまでが上限。対する「三井住友カード Visa Infinite」はさらに多くのポイントがつくので、高額決済が多いなら、こちらを選ぶ方がおトクかもしれません。
立ち位置としては、「三井住友カード プラチナプリファード」の上位だと私は捉えています。「三井住友カードVisa Infinite」は「三井住友カード プラチナプリファード」のプリファードストア(特約店)は対象外で、むしろ体験など特典重視型となっています。ただし、この場合、「三井住友カード プラチナ」との差別化は難しくなります。例えば、宝塚劇場貸切公演のSS席抽選販売やカレンダー特典はプラチナカード(カレンダー特典はゴールドカードも可)のみの特典で、「三井住友カードVisa Infinite」に付帯していません。また「三井住友カード プラチナ」はVisaとMastercardの2枚持ちができますが、「三井住友カードVisa Infinite」はVisaブランドのみの発行です。そう考えると、プラチナカードとVisa Infiniteを一緒にするのは難しく、あくまでも別物。むしろプラチナプリファードの上位的な位置とするほうが自然です。
今後は、あくまでもポイントを重視するなら「三井住友カード プラチナプリファード」、ポイントと特典を重視するなら「三井住友カードVisa Infinite」、プラチナにしかない特典を重視するなら、「三井住友カード プラチナ」といったすみ分けになると思います。一方、Visa Infiniteにプラチナの特典が含まれると、一気にVisa Infiniteの会員は増えるでしょう。どのようなかじ取りをするのか、気になるところです。
ちなみに、2026年春には三井住友銀行が提供するデジタル金融サービス「Olive」に対応した、「Olive Infinite」の提供も始まる見通しです。私はすでに「三井住友カード Visa Infinite」を手にしましたが、「三井住友カード プラチナプリファード」はOliveのプラチナプリファードが出た際に年間利用額などが持ち越せる切り替えキャンペーンを実施しています。今回も同様の措置が取られることを期待しています。
いずれにしても、ダイナースクラブやアメックス、セゾンカードも、現在はエグゼクティブ向けのカードの発行に積極的です。三井住友カードもこうしたトレンドに乗るべく、Visaの最上位ブランドで迎え撃つという狙いがあるのでしょう。ユーザーからするとプレミアム系クレジットカードの選択肢が広がるので、よいことだと思います。
−−−三井住友カードのなかでも最上位に位置する「三井住友カード Visa Infinite」。体験系の特典も多いので、活用するシーンは多くなりそうだ。次回は、ニューオータニと三井トラストクラブによる「ニューオータニクラブ ダイナース プレミアムカード」について取り上げる。









