ダイナースクラブが39歳以下向けの「ゴールド」を新設
もう一つ注目したいのが、ダイナースクラブです。三井住友トラストクラブは、日本のダイナースクラブとして初めてとなるゴールドクラスの「ダイナースクラブ ゴールド」の申し込みを2026年10月1日から受け付けています。オンライン申し込み限定で、対象年齢は20~39歳。年会費は1万1000円(税込)で初年度無料、前年に100万円以上利用すれば翌年度も無料です。
スペック自体は悪くありません。所定の条件を満たすと、スターバックス カードへのオンライン入金・オートチャージ、Uber Eats、Uber、nosh、Hulu、U-NEXT、通信料金、タッチ決済対応の公共交通機関などでポイントが最大10倍になります。10倍の対象利用額は月4万円までですが、対象店がOliveなどの高還元カードとあまり重なっていないのは良いところだと思います。
携帯電話料金では、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなど主要キャリアが対象です。若い人は携帯会社を乗り換えることもあるでしょうから、キャリアを変えるたびにカードまで作り直す必要がありません。
一方、年会費無料の条件となる年間100万円を若い人がどこまで使うのかという疑問はあります。
特典面でも、ダイナースの代名詞である「エグゼクティブ ダイニング」は付きません。代わりに食べログプレミアムの月額330円が全額キャッシュバックされますが、グルメ特典だけを比べると少し物足りなく感じます。
もっとも、年会費は1万1000円ですから、通常のダイナースと同じものを求めるカードでもありません。ダイナース側は若手社員を中心に商品を考えたようなので、これらの特典が実際にどれくらい使われるのかは気になります。
ただし、付帯する「コンパニオンカード」で同等の特典である「ダイニング by 招待日和」でエグゼクティブダイニングに似た特典も利用できますので、それほどデメリットでもないとは感じています。
なお、今回のゴールド新設にあわせ、現在の「ダイナースクラブカード」は2027年1月に「ダイナースクラブ プラチナ」へ名称変更されます。年会費は本会員2万9700円、家族会員5500円のままで、これによりゴールド、プラチナ、プレミアム、ロイヤルプレミアムという4階層になります。
ダイナースの狙い自体はわかりやすく、現在の会員層を若返らせたいのでしょう。ただ、いまはゴールドカードの選択肢がたくさんあります。若い人が「ダイナースだから持ちたい」と考えるかというと、正直そこはわかりません。「お得なゴールドカードを探していたら、ダイナースにもこんなカードがあった」と気づいてもらえるかどうかだと思います。
日本のダイナースが少し特殊なのも押さえておきたいところです。世界各地で日本と同じようにそこまで富裕層カードとして位置付けられているわけではなく、日本は富裕層向けのイメージがかなり強い市場です。日本ではかつて職業などで入会者を厳しく絞ってきた歴史があり、それが現在のブランドイメージにつながっています。そのブランドを20~30代にどう広げるのか。今回のゴールドは、その意味でも注目したいカードです。
−−−アメックスは期間限定デザインを投入し、ダイナースは若年層の取り込みに動き始めた。次回は、法人カード市場に投入された「楽天ビジネスカードプラチナ」と、ANAが再び見直したSFC制度について取り上げる。









