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クレジットカードの最新サービス動向 1/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回は、広がり続けるクレジットカードのサービス内容についてレポートする。−−−

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エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地です。前回は、第一生命による新サービス「第一生命 NEOBANK」と「楽天銀行 第一生命支店」を中心に、「BaaS(Banking as a Service)」の話題を取り上げました。これにより、異業種による金融業への参入は以前に比べると容易になり、消費者としても金融機関の選択肢の幅が広がります。取引に応じてポイントがたまるサービスも多く見られ、主要共通ポイントを中心に、各社のポイントプログラムは私たちの生活に身近になっていくでしょう。今後も画期的なサービスが登場したら取り上げたいと思います。

三井住友FGが新金融サービスを開始
1枚で3役を兼ねるカードも登場

最初に紹介するのは、三井住友カードによる1枚3役のカード「フレキシブルペイ」についてです。

最近は銀行サービスやキャッシュレス決済、投資等の金融サービスのDXが進み、Webやアプリを活用するシーンが増えました。こうした中、今年2月に登場したのが、三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)や三井住友銀行、三井住友カードによる個人向け総合金融サービス「Olive(オリーブ)」です。

「Olive」は銀行口座やカード決済、ファイナンス、オンライン証券、オンライン保険などの機能をアプリ上でシームレスに組み合わせたサービスで、三井住友銀行アプリと、三井住友カードのアプリ「Vpass」の双方から利用できるというもの。日常の決済や資産形成・資産運用など各種サービスの残高や各種明細をまとめて管理できるのが特徴です。

これに伴い新たに発行されたのが、Visaが開発した新機能を使用した「フレキシブルペイ」を搭載したマルチナンバーレスカード「Oliveフレキシブルペイ」です。

同サービスは、1枚のカード・アカウントで「デビットカード」「クレジットカード」「ポイント払い(プリペイドカード)」の機能をアプリで切り替えられるのが最大の特徴です。申し込むと実カードがキャッシュカード一体型のVisaが発行されるので、実質的には1枚のカードでキャッシュカード、クレジットカード、デビットカード、ポイントカードの4つの役割を兼ね備えることになります。複数のカードをもたずに済むのは便利でしょう。

使い分けに関しては、基本的にはクレジットカードになると考えています。海外ではデビット払いモードにすると、決済すると日本円での金額がすぐに確定するので、為替動向を気にせず済むので安心かもしれません。たまったポイントはポイント払いで消化できるので、これまで使い道に困っていた人には朗報です。なお、ポイント払いとありますが、一度チャージすることでVisaプリペイドとして利用することになります。

ちなみに、カードには一般、ゴールド、プラチナプリファードの3種類があり、年会費はそれぞれ無料、5,500円、3万3000円です。カードの特典を含めて、一般=三井住友カード(NL)、ゴールド=三井住友カード ゴールド(NL)、プラチナプリファード=三井住友カード プラチナプリファードと同じです。ただし、Oliveフレキシブルペイの国際ブランドはVisaのみです。また、すでに3種類のカードのうちどれかを持っていたとしても、Oliveフレキシブルペイに切り替えることはできず、新たに申し込まないといけません。

−−−新たに始まったSMBCグループによる「Olive」。1枚で複数の機能を兼ね備える「Oliveフレキシブルペイ」も便利なカードだ。次回も同サービスの詳細を取り上げる。

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菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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