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ポイント・キャッスレス関連の最新動向 1/3

一方で、気になることもあります。LINE Payはこれまで、月々の支払金額に応じて、「ホワイト(~9999円)」「レッド(1万円~4万9999円)、「ブルー(5万円~9万9999円)「グリーン(10万円~)」の4つにユーザーを分類。カラーごとで0.5%~2%のLINEポイントを付与していました。

ところが、この「マイカラー」プログラムは終了し、5月1日からは「LINEポイントクラブ」にリニューアル。ここでは、過去6カ月に獲得したLINEポイントの総量を基準に、「レギュラー(~99P)」「シルバー(100~499P」「ゴールド(500~4999P)」「プラチナ(5000P)」の4ランクを適用仕組みです。ランクによって、配布される特典クーポンの枚数が違ったり、LINEスタンププレミアムなど各種サービス利用時のポイント還元率が変わりますが、注目すべきは、「チャージ&ペイ」についてです。

チャージ&ペイとは、Visa LINE Pay クレジットカードをLINE Payに紐づけると、事前のチャージが不要になる新機能です。LINE Payを頻繁に使うならチャージの手間を省くことができ、使った金額はクレジットカードの料金として支払うので、便利と言えます。

ところが、LINEポイントクラブでは、チャージ&ペイ利用時には、「レギュラー(1%)」「シルバー(1.5%)」「ゴールド(2%)」「プラチナ(3%)」のポイントを還元しますが、従来あった銀行や現金(セブン銀行ATM)のチャージを使った決済では、LINEポイントを付与しません。すなわち、LINE Payの決済でポイントを得るには、Visa LINE Pay クレジットカードの保有がマストになったわけです。ところが、高校生以下は作ることができず、18歳以上も審査をクリアしないとダメ。LINEユーザーは学生など若者が多く、この点は少し気になります。思うに、ランクに応じた特典は月替わりのようなので、もしかするとある月は「銀行チャージでポイント還元」といったインセンティブを用意するのかもしれません。

読者の皆さんはLINE Payを使っていないとしても、小売業などを営み同サービスの加盟店であれば、こうした施策は少なからず影響する可能性があります。ちなみに、PayPayも4月から最大1.5%だったPayPayボーナスの付与率を、0.5%に変更。これを基準に先月に100円以上の決済回数が50回以上でプラス0.5%、さらに先月の決済金額の合計が10万円以上だとプラス0.5%と、最大で1.5%になります。かつ、対象になるのはPayPay残高、ヤフーカードで支払った場合です。こうしたルールの変化も、一部のユーザーは敏感に反応する可能性があります。これら決済サービスに自社のビジネスが関係しているなら、チェックしておきましょう。

ーーー経営統合が予定されている、PayPayとLINE Payで、新たな取組みが始まっているようだ。次回は、他社の動向に迫ろう。

菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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