エンリッチ編集部「私と同じように、お金の教養を身につけたいと考える人は必ずいるという思いからです。当初は話を聞きたい人にお会いして、会場を用意して、受講生を集め、自分で会場運営をしながら勉強していました」
これをきっかけに、2002年に「お金の学校」であるファイナンシャルアカデミーを立ち上げることに。創設から5年目には、培ったノウハウをもとに独自のカリキュラムを作成しスクールとして展開。強く幅広いラインナップのセミナーで認知度を高めていった。
「『金融機関のセミナーはタダなのに、なぜこのセミナーは有料なのか？』と最初は理解されなかった部分はあります。ところが、想像以上に金融リテラシーを身につけたいと思っている人が多かったことも事実でした」
受講を通じて株式投資や不動産投資で資産を形成し、いまでは講師として壇上に立つケースも珍しくない。そういったリアルさが後押しした面もあるだろう。
「設立のきっかけは、私自身がお金の教養を身につけたかったから、それからは、多く人にも学んでいただきたい、そんな思いで事業を続けてきました。延べ33万人もの受講生がいますが、日本全体からすると、わずか0.3%。まだまだ一部の人しかお金について学んでいませんので、さらに普及させていきたい考えです。さらに、お金に対する学びが必要なのは大人だけではありません。そんな思いから形にしたのが、子どもや若者を対象にした『金融経済教育授業』なのです」
ーー金融経済教育に携わってきた泉氏だからこそ至った、次なる一手。後編では、新たな取り組みについて、さらにお聞きしていこう。
泉正人（いずみ・まさと）
ファイナンシャルアカデミーグループ 代表。
一般社団法人金融学習協会 理事長。
自らの経験から金融経済教育の必要性を感じ、2002年に「お金の教養」を身につけるための日本唯一の総合マネースクール「ファイナンシャルアカデミー」を創立、代表に就任。一方、一般社団法人金融学習協会の理事長として「マネーマネジメント検定」を運営。学校現場への経済金融教育のカリキュラム提供などの普及啓蒙活動も精力的に行っている。現在、ファイナンシャル教育を行うグループ4社を牽引し、真に豊かでゆとりある人生を送ってもらうための金融経済教育の定着を目指している。著書は30冊累計120万部を超え、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。
▶︎ファイナンシャルアカデミーHP
TEXT:大正谷成晴
