ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。7月最後は、ANAの「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」のサービス変更について解説する。(1/2から読む)−−−

ANAの上級会員制度が2028年に改定
大手メディアやSNS上でも話題になりましたが、ANAは「スーパーフライヤーズカード(SFC)」の制度を、2028年4月1日より一部変更すると発表しました。
新制度では、ANAカード・ANA Payの年間決済額に基づき「SFC PLUS」と「SFC LITE」の2区分を設定。年間決済額300万円以上のSFC PLUSではANAラウンジ、スターアライアンス・ゴールドといった特典が提供されますが、300万円未満のSFC LITEではANAラウンジを利用できず、スターアライアンスでもシルバー会員相当になります。SFC会員資格そのものが無効になるわけではありませんが、LITE会員の特典は実質的に縮小するわけです。
これまで、SFCは一度上級会員資格を得てカードを保有すれば、長期的にラウンジなどの特典を利用できました。だからこそ、「SFC修行」を行う人も多かったのです。ところが今回の変更により、ANAは飛行機に乗る人だけではなく、ANAカードやANA Payを使う人をより重視する方向へ舵を切りました。ANAとしても上級会員サービスはコストであり、ラウンジの混雑などは多くの会員から指摘されていたことです。上質なサービスを維持するために、今回のような利用実態に応じた線引きを引いたと考えられます。
なお、こうした上級会員制度の見直しはJALも実施しており、「JALグローバルクラブ(JGC)」の入会条件に単年のフライト実績ではなく、JALカードの利用など関連サービスの利用を重視する制度へ移行しました。短期的に集中して飛行機に乗るより、日常生活のなかでJAL関連サービスを継続的に利用する顧客を優遇しています。ただし同社の場合、制度変更時点で既存のJGC会員は従来のサービスを継続利用できるようにしました。既存会員にも新たな区分を適用するANAの改定とは異なる点です。
いずれにしても、今後日系エアラインで上級会員となり手厚いサービスを受けるためには、各社の経済圏との深い付き合いが求められます。そのためのコストと、得られるメリットを把握してから、どう行動するか考えるべきです。
続々登場する暗号資産系クレジットカード
2026年に入り、USDCを原資としてVisa加盟店で使える「Slash Card」、暗号資産取引所bitbankの資産から引き落とせる「EPOS CRYPTOカード for bitbank」、BTC・ETH・XRPがたまる「SBI VISAクリプトカード」など、暗号資産系のクレジットカードが相次いで登場しています。
こういったトレンドについて、円やドルに連動し送金コストが安いなど、使い道があるステーブルコインなら、まだわかります。ただし、日本国内だけで考えると、PayPayなど既存の決済手段で十分ではないでしょうか。一方、暗号資産はブロックチェーンという技術基盤は優れていますが、値動きに関しては不可解な面もあります。付与されても価値が変動することを忘れてはなりません。上昇すればよいでしょうが、無価値になるリスクもあるのです。カード会社はニュースバリューがあるので発行しますが、利用者側は暗号資産の価格変動や税務、実際の使い勝手を見極めたうえで、こういったカードを含め暗号資産に接する必要があります。









