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「第6回 世界の資産運用フェア」レポート 3/3

著名経済学者と内藤氏が
今後の日本の金融、財政について言及

世界の資産運用フェアといえば、内藤氏がモデレーターとなり繰り広げられるパネルディスカッションも人気だ。今回もゲストを招き、国内外の不動産、資産運用のニューフロンティアであるコイン、ゴールド、太陽光発電、さらにはビットコインなど、様々なトピックについてセッションを行った。

なかでも目玉だったのが、経済学者、経済評論家で、「言論プラットフォーム アゴラ」の池田信夫氏をゲストスピーカーにお招きした、最後のセッション。「池田信夫氏に聞く、これからの日本の金融、財政と投資家がやっておくべきこと」をテーマに内藤氏と意見を交わしたが、その様子を一部お伝えしよう。

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冒頭で、内藤氏が日本の財政状態を尋ねたところ、池田氏は「危機的状況といわれているが、じつはそれほど悪くありません。少なくとも、ここ数年はわずかですが財政赤字は改善しています。すぎさま破たんするというわけでもありません」と回答。一方、財政危機が顕在化しない理由については「日本人は政府を信用し過ぎている面もありますから。ただし、債務が膨らみ信用が低下すると、どうなるかはわかりません。政府・日銀は緩やかに物価を上昇させ帳消しにしたい考えでしょうが、インフレがどのような形で起きるかまではコントロールも不可能です」と述べた。

次いで、内藤氏が「日銀は大量の国債を買い、その規模は年60兆円。GPIFも含めると株やETFの買い入れも多く、異常ともいえるポートフォリオです。これらに伴うリスクはいかがでしょうか?」という問いに対しては、「日銀の自己資本はトータルで6兆円ほど。また、総資産500兆円のうち9割は国債で占められていて、ポートフォリオとしては偏りが目立ちます。一方で、日銀は長期金利をコントロールできず、今後、長期金利の変動で評価損が生じる可能性はゼロではありません。ところが、日銀はそれを計上する必要がなく、そこで問題なのは地銀です。彼らの多くは融資先がないことから長期国債を多く買い入れていますが、同じく金利の変動で評価損が出た場合、こちらはそれを計上する必要があります。すると何が起きるかというと、取り付け騒ぎです。かつての長銀のようなことが起きるかもしれず、最悪は経営破たん。本来、そういった時は日銀が救済するのが役割ですが、日銀自体に隠れた評価損があり債務超過になっていると、手を差し伸べられるかどうかもはっきりしません」と、日本の金融・財政が抱える陰のリスクを指摘。さらに「バブル崩壊、山一證券の経営破たんなどは、何の前触れもなく、突然起きました。個人投資家としても、危機を煽るわけではありませんが、いまから自身のポートフォリオを見直し、できることからやっておくべきです」とアドバイス。

内藤氏もこれを受け「何かが起きてからでは遅いので、例えば自分の借りているローンが長期金利に連動するものであれば見直すなど、できることには手を付けておくこと。さらには資産配分もチェックするなど、“起きるかもしれないリスク”に注意を払うことです」と、投資家が取っておくアクションについて見解を述べた。会場は聴衆で埋め尽くされ、立ち見もでるほどだったが、大いに参考になったことだろう。

このように、大盛況のなか終えた世界の資産運用フェア。内藤氏にも感想や今後の抱負をお聞きして、特別編を締めくくろう。

「今回も、たくさんの個人投資家の方に有益な情報を提供できたと思います。年に2回の定期開催に参加することによって、世界の資産運用マーケットを定点観測できます。マクロな経済情勢から、具体的な投資案件までワンストップですべての情報が得られる世界の資産運用フェア。毎回、バージョンアップし、来場者も増え、第7回も2018年2月3日の開催が決定しています。資産運用のアイディアを見つける機会にしてもらえれば幸いです」

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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