ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

Ford Mustang/フォード・マスタング

それでもマスタングは持ちこたえてきた。その理由はいくつかあるが、根底にあるのはそのシンボリック的な存在感に違いない。

SME201410_4

じつは先般2015年モデルとしてフルモデルチェンジするマスタングをロサンゼルスで試乗する機会を得た。同じ年のマスタングがオヤジ世代になって衣替えするのだから気にならずにはいられない。

エンリッチ スタートマイエンジン マスタング ドライブ
エンリッチ スタートマイエンジン マスタング ドライブ2

そこでわかったのは、こいつはずっとアメリカンヒーローであるということ。マスタングはこれまで3300以上の映画とTV番組に出演してきた。そして画面の中でつねにヒーローを演じてきたのだ。

プレゼンテーションで挙げたのはマックィーン主演の「ブリット」とニコラス・ケイジの「60セカンド」、007シリーズの「ダイヤモンドは永遠に」、最新作の「ニード・フォー・スピード」だった。どれも主人公の相棒として存在感をアピールしている。

だが、個人的にマスタングと聞いて浮かぶのは「ビバリーヒルズ高校白書/青春白書」となる。というのも、あれだけ複雑な登場人物とその相関図の中で、マスタングに乗ることで誰が主人公かが明確になるからだ。もちろん、ストーリーを追って行けばそうなのだが、マスタングがそれを確実なものにしてくれる。この中ではブランドンがそうだ。高校白書の中では初代マスタング、青春白書の中ではその時代の新型マスタングを駐車場にとめている。

エンリッチ スタートマイエンジン マスタング P2
エンリッチ スタートマイエンジン マスタング P2

SME201410_9
SME201410_10

ということで、今回50周年を迎えたマスタングにスポットを当てた。自分を含むオヤジ世代へのエールでもある。50年間生きながらえてきたことに拍手。でも正直これまでのことはどうでもいい。問題はこれから。どうする。なんて考えていると、51年を迎えたマスタングにそのヒントはあった。

“変わるところはバッサリ変え、変えないとことはそのまま”、単純だが、それがどこかうれしい。しっくりくる。それにしても英断。今度のマスタングは、V8エンジンもありますが、直4エンジンもあるんです。どうです、すごいでしょ!?

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

連載コラム

九島辰也

Return Top