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ビットコインに対する消費税の課税がようやく撤廃。2017年はフィンテック元年に?

ビットコインは、これまで銀行がカバーできていなかったグローバルな少額決済マーケットの裾野を一気に広げる可能性がある。さらに発達すれば、銀行のビジネスモデルそのものに対しても変革を迫ることになるだろう。銀行にとっては脅威かもしれないが、多くの人にとっては、大きなビジネスチャンスとなるはずだ。

これまで銀行は多くの人から預金を集め、これを事業者などに貸し付けて金利収入を得ていた。これに加えて、送金や振り込みなどで得られる手数料収入も銀行の大きな収益源となっている。銀行は大きなお金を動かすことで金利や手数料を得るというビジネスモデルなので、個人の少額融資や決済という部分との親和性は高くなかった。このため個人の融資は消費者金融が担っていたが、コストの高さという点では同じであり、これを高い金利収入で補うしかなかったのである。

だがビットコインが普及し、スマホ上で融資ができるようになったり、少額の送金が可能になると、この市場は急拡大することになる。実際、諸外国ではビットコインをスマホ上だけの審査で融資する企業が登場しており、融資ビジネスの世界を変えようとしている。

今後、銀行は規模の大きい融資や決済などにシフトし、小口の金融業務はフィンテック関連の事業者が担っていく可能性が高い。おそらく銀行は広域な金融ネットワークを完備しているところ以外、生き残ることが難しくなってくるだろう。折しも、金融庁は地方銀行の本格的な再編に乗り出している。地域の小口決済への依存度が高い地銀や信金はフィンテックの影響を大きく受ける可能性がある。

近い将来、経営体力が劣っていたり、フィンテックの活用に乗り遅れた地方銀行は、徐々に消滅していくことになるだろう。

加谷 珪一 (かや けいいち)

経済評論家。東北大学卒業後、投資ファンド運用会社などで企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任。マネーや経済に関するコラムなどの執筆を行う一方で、億単位の資産を運用する個人投資家の顔も持つ。著書「お金持ちの教科書」(阪急コミュニケーションズ)ほか多数。

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