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鹿児島旅行レポート&エアライン動向 2/3

厳しい状況に立たされる日系エアライン
ANAは大胆なビジネスモデル転換を発表

国内線の乗客が戻りつつあると言っても、エアライン各社のきびしい状況に変わりはありません。ANAの通期業績は5100億円、JALは最大2100億円の赤字になる見通しです。運航規模の大きな国際線の回復が遅れているのが要因で、ANAは新卒採用を大幅に縮小し、JALは1860億円もの公募増資に踏み切るなど、さまざまな策を講じています。ともに社員の出向も行っていて、相谷石川などの自治体、家電量販店のノジマなどが、受け入れを始めています。

さらに、ANAは従来のビジネスモデルを変革し、事業ポートフォリオを見直すと発表しました。具体的に、ANAはプレミアムエアラインとしての位置づけでありつつ、新たなプロダクトを提供したり、デジタルを使ったセルフ化・パーソナル化を推進。LCCのPeachは、レジャー客だけではなくビジネス客、ファミリー客もさらに開拓し、短距離だけではなく中距離国際線、さらに航空貨物事業にも参入すると言います。

PeachはANAとの連携強化も図っていて、10月下旬から2021年3月末まで期間限定で、ANAマイルをPeachポイントに交換できるサービスを始めています。ANA1マイルがPeach0.9ポイントになり、500マイルから移行できます。正直なところ、ANAマイルをためている人が、このレートでPeachポイントにするとは考えにくいのですが、たまたまパッケージツアーを購入して持っているなど、ANAマイルを持てあましている人には、いいかもしれません。ANAとしても、顧客の動向を確かめながら、今後どうするのか見極めるのだと思います。

ーーー国内線は回復基調だが、国際線はいまだ厳しい航空業界。次回も引き続き、ANAの戦略を紹介しよう。

菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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