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富裕層が考えるべき「日本リスク」

週刊|内藤忍のマネーCafe

前回お話した日本人が抱えている「日本リスク」とは、一言で言えば、ライフスタイルすべてが日本という国に依存してしまっている状況です。

例えば、日本の会社で仕事をして、日本国内にマイホームを持ち、子供の教育は日本の学校で受けさせ、金融資産のほとんどは日本円に置いている。このように、すべてが日本にどっぷりというのは、自分の人生を日本にすべて託している状態になります。

このように、ライフスタイル全体が日本という国に依存している状態が「日本リスク」です。日本が成長している時代には意識されなかったリスクが、将来顕在化する可能性が高まっているのです。

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日本経済の先行不透明な状態が続き、少子高齢化は予想以上のスピードで進んでいます。また、財政赤字の問題は改善の兆しはなく、社会保障費は拡大し、税収も思うように増えていません。また、国内の金利は超低金利状態が続いていますが、金利が反転上昇すれば、経済だけではなく、国の財政にも利払い費用の増加という形で大きな影響があります。

そして、変動相場制移行からずっと続いてきた円高トレンドが円安に変わり、今より円安が進めば、資産の90%以上が円資産に偏っている日本人の資産は実質的に目減りしていくことになります。

日本にこのような変化があったとき、一極集中では、すべてが共倒れになってしまうおそれがあるわけです。

そのような事態を想定して、富裕層の中には、資産だけではなく住居や家族をシンガポールやハワイといった場所に移動させているケースも増えています。しかし、住居や仕事、教育のベースを海外に移すことは、誰にでも簡単にできることではありません。

誰でも簡単にできる日本リスクの回避方法。それは、外貨資産を保有することです。ところが、日本人の金融資産の90%以上は円資産に偏在しています。これはナゼなのでしょうか?

次回は、日本人が外貨資産を保有しない理由を考えてみます。


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内藤 忍(ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。

大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」など多数。最新刊は「究極の海外不動産投資」(幻冬舎)

内藤忍

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